映画『君の膵臓を食べたい』ここは2010年代を尊び弔うための葬儀場

https://eiga.com/movie/85608/

作品全体が2010年代のタイムカプセル

「2010年代の尊さを圧縮した映画」

あなたは死期に臨んでもなお、遺される友達のために仕掛けを作ってられるだろうか。僕にはきっとできない。

ボタン式パカ携帯。真実と挑戦ゲーム。終盤、森下さん(生徒の仲良しさん)のJKスタイルが完全にこの時代を封印してる。お団子触角、ぱっちりロングソックス、腿ハーフスカート、もう泣いちゃう。

もう思い出す予定のなかった種類の記憶が蘇ってきて、あるはずのない思い出まで作る。『君の膵臓』はそんな映画。

キャスト陣の演技も素敵 

桜良役の浜辺美波のおめかしシーン、もう光ってる。出かける間際の「んふww」って笑い方は役そのもののリアクションだと思う。この演技で(?)新人賞をマルチ受賞して、後の『賭ケグルイ』や『約束のネバーランド』の活躍へと繋がります。

そしてガムくん、愛せる。ガムくんのガムは、主人公の「僕」にとって他者との関わりそのものなんだね。ガムくん。

ベストアクトといえば、小栗旬の抜け殻みたいな演技。これはユース主演ゆえの印象かもしれないけど、さすがお兄さん。

桜良のお母さん(長野里美)の演技、お葬式で遺影を抱きしめる時はそう〜いう感じか〜?と思ったけど、じゃあどうすれば正解なのか想像できなくて背筋が凍った。ただ、「あなただったのね」で泣いちゃう。

気になるのは台詞回しのテンポ感

コマ割りの漫画なので、映像にするとセリフ回しがすこし窮屈。一方で、数篇を一話に詰め込んでるので尊さエピソードが波のように繰り返す。もーやめてよ〜って泣いちゃう。

衰弱した人は走れるのか。殺人犯が偶発的で白昼堂々なのか。「小説家になろう」発だからなのかとか。そんなこたどうだっていいんだよ!職場で退職願をちぎるはハジケてて笑った。ちょっとカラオケの映像みたい。

「詩の本質は、感情を形にすること。祈りであり願い。」これは詩文を好む人が覚えておきたい言葉。

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