『イミテーション・ゲーム』のあらすじと解説:天才数学者は何を思う

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作品の概要

https://gifer.com/en/9dzk

『イミテーションゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』(The Imitation Game)

公開年

2014年11月(国内2015年3月)

上映時間:114分

あらすじ

1939年、第二次大戦下でドイツ軍のエニグマ暗号機を打ち破るための暗号解読チームが召集された。天才数学者アラン・チューリングは、チームの仲間と共に、コンピューターサイエンスの力をもってエニグマ解読の糸口に迫る。そして物語の主軸は、彼自身の人生に横たわった「ある秘密」へと向かっていく。

『イミテーション・ゲーム』の見所

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“天才数学者” アラン・チューリングの成長

伝記物の体をなしている本作の見所と言えば、天才数学者と呼ばれる奇人アラン・チューリングの成長にあると思います。恋人のアドバイスや亡き旧友の言葉を受け、彼は日の当たる場所を歩く人間としての成長を遂げていきます。

一方で、この物語における”成長”とは、彼の運命の帰結に迫ることでもあります。自らのあり方をして「人間か、怪物か」と問い、狂気の淵に迫っていく様にも息を飲むことでしょう。

交錯する3つのストーリー

作中では、エニグマ解読機開発時代・幼少期の記憶・戦後の身辺調査という時系列を異にした3つのストーリーが、シャッフルされる形で物語を構成します。すべての物語が、アランチューリングという人のある秘密に集約されます。国家の英雄アランチューリングの秘密に迫っていくスリルも見所のひとつ。

この物語を理解するためにわざわざ構成を書き出したので、映画を見てから思いを馳せるとき、よかったら見てみてください。

謎に挿入されるランニングシーン

本編のストーリーには直接関係しない、モチーフ的に挿入されるランニングシーン。個人的に最大の見どころだと考えています。

アラン・チューリングという人物像と物語の顛末を表すかのようなこの場面は、個人的に一番注目したい場面です。実はアラン・チューリングはマラソンの名手で、ここも実話に基づいたシーン。苛烈な走り込みの末、沈みゆく太陽を前に彼は何を思うのか。本作の中でも見逃せない名場面だと思います。

監督

モルデン・ティルドゥム(1967年ノルウェー出身。)

代表作:『Buddy(2003)』『ヘッドハンター(2011)』『パッセンジャー(2016)』

キャスト

・ベネディクト・カンバーバッチ(アラン・チューリング役)

・キーラ・ナイトレイ(ジョーン・クラーク役)

・マシュー・グッド(ヒュー・アレグザンダー役)

・マーク・ストロング(スチュアート・ミンギス役)

終わりに

007もろくに見ていないのにスパイ映画が見たくてたどり着いたのがこの作品。全然スパイモノではないけれど、それにも匹敵する緊張感と濃厚なダークサイド。熱狂が引いてくような喪失感はあれど、見ていて胸糞悪さがモノ足りないところが唯一の相違点です。映画好きか否かに関わらず、誰にとっても一見の価値はあるはず。

キャストの面では、カンバーバッチ最高ー!キーラナイトレイかわいー!マークストロングかっこいー!そんな英国映画の楽しみが詰まった作品です。カンバーバッチの神経質そうな表情(顔のつくり)、機械のような演技力、崩れ落ちるような泣き顔が堪りません。裏切りのサーカスのせいもあって、またそういうネタか…なんて思いましたが、これこそ英国映画に現れた社会性なんでしょうか。

あー楽しかった!